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TCPについて
ミンドゥリン・プロジェクトの実績
TCPの前身、ミンドゥリン・プロジェクトの実績
TCPの前身であるミンドゥリン・プロジェクトは、1998年6月から2008年4月まで、東チベットにあるナンチェン地方を支援してきました。ナンチェン地方は、険しい山を越えてしか行くことが出来ないため、昔ながらのチベットの伝統や文化が今でも脈々と受け継がれている場所です。
チベット人にとって仏教は心のよりどころであり、寺院は地元の人々の生活に深く根付き、宗教的な役割はもちろん、時には地域事業、医療、教育の分野においても地域の柱として重要な役割を果たしています。このような状況から、ミンドゥリン・プロジェクトは次の3つの項目を重点的事業として展開してきました。
ミンドゥリン・ゴンパ(寺院)の再建
ミンドゥリン寺は、今から100年以上前に、ナンチェン地方の深い谷と山々に囲まれた聖地に建立されました。しかし、文化大革命の時代に破壊され、土壁だけがひっそりと山の斜面に当時の面影をとどめていました。1889年この土地を訪れたTCP統括責任者:かとうちあきが村人達の寺院再建に対する熱い思いに心を動かされ支援を募り、寺院を再建しました。また仏塔の復興や、地域の交流センターとしてのメディテーションセンターを建設しました。
資材を運ぶヤク。2001年、ミンドゥリン・プロジェクトが届けた資材と、100人以上の村人達の作業によって、再建は始まりました。(左)/完成間近の仏塔と、作業に集まった村人たち(中央)/完成した仏塔。全部で6つの仏塔が完成しました。チベットでは吉祥とされる白い虹が、完成した仏塔から空に向かって現れました。(右)
医療の支援
ナンチェン地方の人々は自給自足に近い生活のため、現金収入がほとんどありません。また僅かな現金収入は、医療よりも税金を納めることに優先されてしまい、多くの人が治療を受けることが出来ず、重病人や急病患者の死亡率が極めて高い状況でした。この状況を改善するため、3つの診療所を建設・運営し、医薬品の支給と医師の派遣を行ないました。また学校を始めとして、地域の衛生教育を行ないました。
村の子どもたちに歯みがき指導行う(左)/楽しそうに歯みがきをする女の子たち(中央)/ミンドゥリン・プロジェクトが届けた薬を、ひとつひとつ確認する現地のボランティア医師(右)
教育の支援
周辺地域では識字率が低く、子どもの就学率は10%以下でした。チベット文化を継承して行くためにも、教育の支援が必要であると判断しました。教育施設として、学校3校を建設・運営し、チベット人教師を派遣、教材と文具の提供を行ないました。
トラックに積まれた支援物資の机や椅子を、みんなで運びます。他にも教科書・文具・衣類などを毎年届けました。(左)/届けられた机を囲む子どもたち。引き出しの付いた机に驚いていました。(中央)/届けられた机で勉強に励む子どもたち。(右)